世界のCMフェスティバル 2014TOKYO
11/22 行ってきた(ひとりで)。
22時半~5時すぎまで、ひたすらCMを見続けるイベント。
5部構成で、合間に休憩が4回。
休憩ではロビーで軽食店がいくつかと、バンドやパフォーマーの演技・演奏と、壱岐っ娘という長崎・壱岐の焼酎が振舞われる。
以前はワインも無料で振舞われていたけど、最近は有料。
昔はスポンサーも多くて、いろいろお土産がもらえたけど、今回はレッドブルの小1缶と、パチパチ(手型鳴子)のみ。
あとは抽選会で約40名に商品が当たるくらい。
その抽選結果を確認するのを忘れていて、(客が少なくて)きっと当たっていただろうから残念。
と、ややネガティブな書き出しだけど、イベントはとても楽しかった。
各部オープニングはバンドの演奏や大道芸人のパフォーマンスがあり、これがとってもクォリティ高くてすばらしかった。
世界トップの映像作家 関根光才さんが自身の最新CMを引っさげて、受賞や活動などについてコメントしたり、貴重な催しも。
そして、新宿ミラノ座での公演が今回で最後。
こんな貴重な回なのに、お客が少なかった。
見た感じ、3分の2くらいかな。
世界のCMフェスティバル 2014TOKYO - YouTube
数年前は大盛況で満席で当日も結構並んでいて、休憩ロビーには人が溢れて歩けないくらいで、タダ酒でほろ酔いしたり、熱気で溢れていたんだけど、今年は客もおとなしい(私的にはゆったり見れていいけど)。
休憩ごとにロビーに勇んで行ったものだけど、今回は2回しか行かなかったし、壱岐焼酎を2回試飲してすぐに席に戻って文字どおり休憩してた。
若い客が少ないのかもなぁ。
30代以降が多い気がした。
リピーターも減ったようだ。けど、全体の割合としてはリピーターの方が多いみたいだった。
私ももう何度目だっけ?東京は4回目かな。
他には、石垣島と、前橋に行ったことがある。
この二つは東京と違い、昼間または夜に、2時間くらいで、モニタも会場も小さく、ブーヴィエさん以外の出演者もいなく、抽選も休憩イベントもなく、その分料金は安いけど、東京の規模は貴重だと思う。
この大画面で見られるのももう最後。
非常に残念。
来年はどこでやるのか、まだ決まっていない。
オールナイトももうないかもしれない。
福岡はまだオールナイトとかしてるかな?
福岡は発祥地、CMフェス事務局の拠点なので、今も大きくやっているかもしれない。
福岡ではまだ行ったことがない。
福岡での大学時代頃に始まったイベント(実は主催者がその大学のフランス語他の先生だった)なので行けばよかったんだけど、そのときは行っていない。
今回の目玉特集は、インド。
インドはここ最近で社会がどんどん変わってきていて、開放的なCMが増えてきているそう。
インドでは女性の再婚が認められていなかったけど、最近認められるようになり、CMにもそれが出てきた。
ある結婚式場のCMでは、子連れの女性が新婦となり結婚式の際、幼い娘に「私も一緒に回りたい」と言われ、ダメよとたしなめるが、新郎が「おいで」とその娘を抱っこして一緒に回り、新婦がそれを見て微笑む という感動的なものがあった。
CMでその国の時代や文化が読み取れる という。
中国のマクドナルドのCM。
これは前にも見たことがあるんだけど、今回は細かく解説があっておもしろかった。
・子供の衣装がこうなのは、中国は共産主義だから。
・子供・その両親・祖父の3世代で店に来ている設定で、子とその親は今どきの服を着ているが、祖父は毛沢東時代の服を着ている。
・マクドナルドは手づかみで食べるが、中国ではなんでも箸で食べるので手づかみは無作法なので、祖父はストロー2本を箸代わりにフライドポテトを食べようとする。
その様子を子とその親が心配そうに見守る。
祖父はフライドポテトを食べて、おいしいねと笑顔になって、みんな笑顔になる。
・マクドナルドは若者のデートの場でもある。
カップルがフライドポテトを同時に取ろうとして手が触れそうになりはにかむ。
こんな初々しい場面は日本やアメリカではありえない。
中国はまだアメリカナイズされていない。
・中国では朝に皆太極拳をする(←これは多分冗談)が、
太極拳でMの字を描いたところで、マクドナルドのMのマークにフェードする という暗示的効果を使っている
・中国はフランスと一緒で、他国の文字を使わないので、マクドナルドを「麦当劳」と書く。
・冒頭、マクドナルドの看板とともに、中国の伝統的な建物も並列させている
・マクドナルドは世界中にあるグローバル産業で、商品はどこでも同じようなものを提供するが、広告は国ごとに変えて、その国に合った、消費者に受け入れられるものをそれぞれ作っている。
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主催者・MCのブーヴィエさんが、こういう解説をたまに入れてくる。
これが一番の見所。
ブーヴィエさんはもともと、こういう文化史を専門としている。
そこから派生して生まれたのが、この世界CMフェスティバル。
私たちが大学生(若者)だった頃、このブーヴィエさんの気概というか面白味に共感・共鳴して、このイベントはとても盛り上がった。
でも、今の若者にはあまり響かないかもしれない。
今はテレビCM自体、衰退していて、あまり注目もされず話題にもならない。
みなインターネットやスマホで情報を得るからだろう。
これからCMはどうなるのか。
しかし、CMは侮れない。
1分前後という短い尺ながら、一編の映画のような大作、感動作、ハイクォリティ、意味深いもの、笑えるもの、驚かされるもの、…作り手の思いや技術がギュッと詰まっている。
それを数時間に渡って、映画館の大画面でみんなで共有して見る というのが、このイベントの醍醐味。
ブーヴィエさんももう高齢なので、いつまでこのイベントを続けられるかわからない。
来年は東京も新地で行われるので、ぜひ、たくさんの人に見てもらいたい。
私はブーヴィエさんがやる限り、毎年見に行く。
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5時過ぎに終わって電車で帰って家路に着く途中。
6時半頃。
階段の隅で、ハトが寒そうに鳥肌を立て、丸くなって眠っていた。
もう明るくなってるけど、鳥のくせに寝坊してるのかな。
朝陽のまぶしい気持ちのいい朝帰りでした。